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WISDOM DETAILED INFORMATION ミレニアルの価値観



2000年に出版された社会学博士ポール・レイと心理学博士シェリー・アンダーソンの共著「The Cultural Creatives (カルチュラル・クリエイティブ)」において、物質性重視から精神性重視の価値観へのシフトが予測されていました。
新しい価値観の持ち主は「カルチュラル・クリエイティブ」と、彼らのライフスタイルは「ロハス」と呼ばれました。

「カルチュラル・クリエイティブ」の精神性重視の価値観へのシフトを、IT世代であるミレニアル(1985年~1999年生まれ)が加速させてきました。

ミレニアル世代とジェネレーションZ(2000年以降生まれ)は世界で最も強力な消費者グループです。
彼らに商品やサービスが受容されなければ、もはや企業は生き残れません。欧米企業は、彼らに共感され、彼らと繋がれるように、従来の商品開発やブランド戦略、マーケティング手法を大幅に変更させています。

ミレニアル世代は、モノを多く所有するよりは、旅行、コンサート、外食などのエクスペリエンス(経験)にお金を使うことを選択します。モノよりライフスタイルを重視し、自分自身を最大限に生きたいと考えます。彼らは親世代に比べショッピング好きではないし、ブランドを気にしません。


ミレニアルのルーツを理解するために「The Cultural Creatives (カルチュラル・クリエイティブ)」に掲載された価値調査結果の一部をさらに要約したものを下記にご紹介します。
ストーリー&全体のプロセス よいストーリーを賞賛し、パッケージラベルや雑誌の記事に渡るまで、全体像を理解する。どこから製品がきたのか、どうやって作られたのか、誰がつくったのか、使い終わったらどうなるのかというシステムに興味がある。深いシンボルを欲する
オーセンティシティへの欲求 表面的、偽造、コピー用品、粗雑に作られた、使い捨て、決まり文句や型にはまった陳腐な表現、最先端のスタイルを嫌う。伝統的な商品であれば独創性のある伝統のものが欲しい。食品であればナチュラル&オーガニックに興味がある。
人を惑わす広告や企業や政治のクレームを感知する能力が高い。言っているコトとやっているコトが一致していない企業を嫌う。
ソフトのイノベーター 多くの文化的革新の最先端をいく。高級食品、ワインや地ビールなど、知識集約型製品のイノベーターやオピニオンリーダーになることが多い。
経験消費者 エクスペリエンス経済の典型的消費者。製品そのものではなく、背景にある哲学やストーリー、情熱、啓発などのエクスペリエンスを提供するモノを買う。
週末のワークショップ、スピリチュアルな集まり、自己発見や自己成長を促進する集まり、体験型ツアーやスピリチュアルツアーを好む。
注意深い消費者 耐久商品に関してコンシューマーレポートを最もよく読む。事前調査やラベルをよく読み情報装備をして購入。衝動買いはしない。
芸術と文化 芸術と文化の積極的消費者。アマチュアの域ではなくプロ的に関与する。自分で本や記事を書き、創造的試みを目的としたミーティングやワークショップへ出かける。
ホリスティック 代替療法、自然食品のイノベーターである。体、心、精神が統合したホリスティックヘルスの信者。予防医学にも興味がある。
グルメ 食品について話すことが好き。新しい食品や調理方法の経験を友人と分かちあい、外食をよくし、エスニック料理、自然食品、健康によい食品に興味がある。
住宅 新築の家よりは中古を買い自分の好きなように修理する。印象深い玄関や柱などのステータスを誇示する外装を嫌う。個人の趣味や創造性を家の外ではなく家の中で表現。本物の絵やクラフトを飾る。
フェンスや木や植え込みなどでプライバシーが守れるが、近隣とのよい関係も確立されている「居心地のよい場所」を好む。
自然保存、歴史保存、コミュニティの再創造を基本計画とするコミュニティを欲する。
旅行 エキゾチック、過度な危険が伴わない冒険的、教育的、経験的、独創的、利他的、スピリチュアルな旅を好む。インドの寺院への旅、ツーリストが行かない田舎ツアー、エコツーリズム、サファリ、ベースボールキャンプ、マヤ村の再建手助けツアー。パッケージツアーやファンシーリゾートやクルーズは好まない。

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